社長メッセージ

2016年6月1日、インテレッセインターナショナルインクは創立20週年を迎えました。

全米15拠点、日本に東京事務所。成長するときもあれば、停滞したこともあり、成功したこともあれば、失敗したこともある、その繰り返しで現在に至っていることをつくづく感じます。

この20年間に起こったことを振り返ってみますと、まず初めに、2001年9月11日、ニューヨークとワシントンDCで発生した同時多発テロがあります。

当時、インテレッセの事業は順調に発展していました。ニューヨークオフィスに加えて、1998年に事務所を開設して、その土地の競争に四苦八苦しながらも、どうにか事業の体裁を整えてきたロサンゼルスオフィス、そして、2001年に開設したばかりのサンディエゴオフィスがありました。それまでは、事業規模が大きいニューヨークオフィスが、他のオフィスや地域のビジネスを支えていましたので、同時多発テロが発生した時は「僕の人生が終わった!」と感じました。テロが発生したその日は、派遣中であったスタッフの方々の独自安否確認に明け暮れました。確認に最も時間を要したスタッフの方が3日後に安否確認が完了し、被害にあった方がなかったことで、安堵したことを覚えています。その後しばらくは平静を装いながらも、明らかに気は動転しており、トラウマが二週間以上も続きました。

仕事といえば、2002年にニューヨーク地区のビジネスは、日本をはじめとした各国ビジネスの自国への引きあげムードもあって激減し、リストラをせざるを得ませんでした。本当に「このままでは人生が終わる」との焦りから、何かないかと死にものぐるいであがき、テロにあわなかった地域の市場動向を探りました。調査の結果、アメリカ南東部のアトランタにオフィスを構え、紆余曲折はありましたが、発展するに至りました。その後はアメリカ全体の景気回復もあり、ワシントンDC、シンシナティー、シリコンバレー、シアトル、ヒューストン、ホノルルなど、順調に拠点増設となりました。

ところが、人生には落とし穴はあるものです。 ビジネスの拡大時期となっていた2007年から2008年には拠点開設・IT 関連など、積極的な事業投資を実施しました。社員も増加し、社内教育体制も強固にした2008年9月15日、リーマンショックの発生です。積極投資をした後の事だったので、その影響は大きく、この時は「本当に人生は終わった!」と痛感しました。

前回の同時多発テロの時と違って、すべての拠点・地域で逃げ道がないことに気がつくと、ますますもって青ざめました。数学の特異点定理というのを思い出し、数学的ルールが何も通じない特異点に生きていると怯えました。そして、最低限で生き延びる方法を考え、「息をしている限りは死んではない」という、せめてもの慰めに近い危機感にさいなまれながらも、その一方で「人間、ええ格好では生きられない」という、開き直りも学び、恥も外聞もなく、やっと今日に至っております。

この2つの危機体験に加えて、前職時代にドイツで経験した「日本のバブル崩壊」も加えて、「三度の絶体絶命経験」は、絶対にタダでは起きない、逞しさを身につけさせてくれてくれました。

近年では、人材ビジネスと、新しくスタートした人事情報管理クラウドサービスは、自分自身の生まれ故郷である島根県、出雲大社の「縁結び」事業であるなとつくづく感じております。

古いようで、しかしながら「縁結び」というのは、いずれの時代でも重要なことですから、今後とも、国際舞台において、引き続き「ご縁」を大切にし、感謝し、社会貢献を目指してまいりたいと願っております。