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Posts Tagged ‘永住権’

永住権 VS. 市民権

Sunday, November 1st, 2009

永住権、つまりグリーンカードは10年有効なカードで、10年置きに更新しなければなりません。永住権は永久な滞在資格ではなく、米国に居住する意思をなくなったと判断されれば、没収されることがあります。例えば、日本に帰任になったり、また米国外への海外赴任や海外留学が長期化してしまうと、永住権を維持するのが難しくなってきます。一方、米国市民権保持者は米国を長期不在にしても米国籍を喪失することはありません。以下に永住権と市民権のメリットとディメリットについてみてみましょう。

永住権保持者は米国大使館でビザを申請する必要がないため、日米間の行き来が比較的自由に行えます。学生は州立大学の州内住民用の学費が適用になるため進学コストの節約でき、また、就職活動やアルバイトにも制限がなくなります。米国市民や永住権保持者対象の奨学金やローンの申請も可能になるのも大きなメリットといえるでしょう。しかしながら、永住権保持者には米国の選挙権が与えられません。また、永住権保持者は全世界の所得が米国の課税対象となるので、駐在員は日本でうけとる退職金も米国の課税対象となってしまうので注意が必要です。さらに、永住権保持は引き続き引越しのたびに移民局への住所変更届けを提出しなければなりません。

(住所変更届に関しては次のウエブサイトを参照のこと)

https://egov.uscis.gov/crisgwi/go?action=coa

さらに注意する点としては、永住権を取得した後に米国を1年以上継続して離れると、原則として永住権は失効することです。また、年間の大半を海外で過ごした場合でも、米国に永住の意思なしとみなされ、入国時に永住権を没収される可能性があります。長期不在中も永住権を維持するには、出国前に再入国手続きをとることです。再入国手帳は2年間有効で、延長は可能ですが、米国を離れている期間が長くなればなるほど、米国に永住する意思を証明するのが難しくなるため、5年以上米国を離れていると延長が難しくなります。

一方、市民権保持者にはそのような制限はなく、米国を長期不在にしても、海外の米国大使館や米国領事館を通してバスポートの延長申請をすることができるため、永住権保持者のように再入国手帳の延長のために一旦米国にもどる必要もありません。また、市民権保持者には選挙権が与えられ、連邦政府機関への就職も可能となります。移民局へ住所変更届けを提出する必要もありません。さらに、永住権保持者の配偶者が死去した場合、その遺産相続に多額な税金が課せられることもありますが、市民権保持者は夫婦間の遺産相続税は免税されます。さらに、市民権保持者は直近の家族(配偶者、子供、両親)の永住権をスポンサーすることができるのも大きな利点でしょう。しかしながら、注意すべき点は、日本政府は二重国籍を認めていないため、自らの意思で他国の市民権を取得した場合、原則として日本国籍を失ってしまうことです。日本国籍を喪失すると、日本には外国人として入国することになるので注意が必要です。従って、将来の希望居住地や子供の進学や就職場所も検討しながら、永住権と市民権のどちらが妥当かを判断をした方がよいでしょう。

米国市民権の申請は、米国市民との結婚により永住権を取得した場合は、永住権取得時点から米国内での滞在期間が最低3年経っていれば申請することができます。結婚以外の方法で永住権を取得した場合は、最低5年間必要です。永住権を取得してから海外で過ごした期間は米国滞在日数から差し引かれます。
尚、18歳から26歳の誕生日までの期間に米国市民権や永住権を保持した男性には兵役登録の義務があります。登録を怠った場合、市民権や政府の奨学金・助成金を申請できないことがあります。兵役登録を怠った場合、自分が登録を行わなかった理由書を市民権申請書類と一緒に提出します。事情によっては、兵役登録義務を免除される場合もありますので、登録免除の可能性があるか事前に専門家に相談した方がよいでしょう。

(義務兵役サービスに関する詳細は、次のウエブサイトを参照のことhttp://www.sss.gov/ <http://www.sss.gov/>

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永住権の申請 ー家族による申請

Saturday, August 1st, 2009

さて、永住権申請には雇用主による申請、個人での申請、家族による申請、抽選による申請などがありますが、今回は結婚に基づく永住権申請について紹介します。結婚による永住権の申請には主に米国市民との結婚によるもの、もしくは永住権保持者との結婚によるものがあります。

米国内で米国市民との結婚による永住権の申請を行うには、外国人家族用移民申請書 (Form I-130 Immigrant Petition) と永住権申請書 (Form I-485 Application to Register Permanent Residence or to Adjust Status) を同時に移民局に提出します。審査期間は通常約1年程要しています。永住権の申請時点で、米国人配偶者と外国人配偶者の結婚暦が2年未満であった場合、偽装結婚ではないことを証明するために、最初に2年間の条件付の永住権が発行されます。この条件付永住権の有効期限が切れる前の90日間に永住権の条件を取除く申請 (Form I-751 Petition to Remove Condition on Residence) を提出することにより、10年間有効な永住権を申請することができます。この時に、条件付永住権を発行されてから、引き続き有効な結婚関係を保っていた証拠資料を提出します。申請者によっては、2回目のインタビューを要請される場合もあります。もしこの間に離婚が成立した場合、通常は永住権の更新はできなくなりますが、例外としてWaiverを申請できる場合もあります。Waiverを申請できる主な証拠理由として、本国へ帰国すれば極度な苦境に陥ること、結婚当初は善意の婚姻であったこと、あるいは配偶者の暴力や残虐行為の被害者であること、などがあげられます。それぞれの理由の証拠資料が必要となりますので、専門家に相談するのがよいでしょう。

永住権の申請中に米国外に旅行する場合、移民の意思を表明してもよいH-1BLビザで米国を出入りするか、もしくは永住権申請と同時に旅行許可証(Advance Parole)を申請し、この許可証をもって米国を出入りすることができます。ただし、米国滞在歴に違反があった場合は、その理由によっては入国を拒否される可能性もありますので、旅行許可証が認可されていても必ずしもつかえるわけではありません。また、永住権申請と同時に就労許可証を申請できますので、この許可証でソーシャル・セキュリティー・ナンバーを申請し、永住権が認可されるまで就労を行うことができます。

永住権保持者との結婚は米国市民との結婚とは異なり、年間発行枠が設けられているため、すぐに永住権の申請を行うことはできません。まず、永住権配偶者が非永住権配偶者のために外国人家族用移民申請 (Form I-130 Immigrant Petition)行い、年間発行枠の順番がまわってくるのを待って本人が永住権の申請を行います。永住権申請までの待ち時間は現時点においておよそ5年ほどありますが、この待ち時間は随時変わっていますが、国務省が毎月発表しているVisa Bulletinhttp://travel.state.gov/visa/frvi/bulletin/bulletin_1360.html)で待ち時間をチェックすることができます。

永住権保持者との結婚の場合は、外国人家族用移民申請書を提出した後、永住権を申請するまでの間は、旅行許可証(Advance Parole)も就労許可証も申請できません。従って、この間に非永住権配偶者が米国外への旅行や米国内での就労を希望する場合は、移民の意思を表明してもよいH-1BLビザなどの滞在資格を維持していれば、H-1BLビザで米国内での就労、海外旅行を行うことができます。なお、現在議会に移民法改正案が提出されていますので、永住権保持者の配偶者が、米国市民の配偶者同様の待遇を与えられるかどうか、議会の今後の動きを見守る必要があります。

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国際企業管理職の永住権申請

Wednesday, July 1st, 2009

日本から米国に派遣される多国籍企業の役員・管理職は、主にLビザやEビザで赴任しますが、Eビザには延長回数に制限がないのに比べ、Lビザ管理職の滞在期間は最長7年までです。7年目以降も米国で就労するには、Eビザに変更するか、永住権を申請する方法があります。

雇用主スポンサーによる永住権の申請には5つの優先枠がありますが、多国籍企業の役員・管理職は審査時間が比較的に短い第一優先枠に該当する可能性があります。第一優先枠で永住権を申請する場合、労働局に申請する外国人労働許可申請 (Labor Certification) の過程を省くことができるため、永住権取得までの時間が大幅に短縮されます。つまり、労働局を経ずに直接移民局に外国人労働者移民申請 (Form I-140 Immigration Petition for Alien Worker)と永住権申請 (Form I-485 Application to Register Permanent Residence or to Adjust Status)の申請を行います。

米国駐在の役員・管理職の場合、海外の関連会社で渡米前の3年間のうち1年以上の海外の関連会社で勤務経験があり、管理職として渡米しているのであれば、第一優先枠の多国籍企業の役員・管理職(International Managers and Executivesというカテゴリーで永住権の申請を行うことが可能です。しかしながら、この多国籍企業の役員・管理職の条件を、Lビザ管理職 (L-1A) の条件よりさらに厳しくみる審査官もいますので、米国でL-1A管理職として勤務していても、必ずしも第一優先枠の多国籍企業の役員・管理職として認められるわけではありません。たとえば、会社規模が小さい、監督する部下が少ない、または技術的業務内容が比較的に多い場合など、第一優先枠の管理職とは見なされにくい場合もあります。

駐在員が永住権を申請するメリットとしては、本人に帰国・転勤命令がでても、子供が引き続き米国で学校に通える、大学学費の減免、各種奨学金やローンの申請、就学中のバイトなどがあげられます。特にここ数年間は大卒用のH1B就労ビザ枠が大幅に不足しており、さらに近年の不況に伴い各種就労ビザの審査が大変厳しくなっているため、内定をもらっても就労ビザが取得できないという事態が多発しています。このような中でビザにとらわれない就職活動ができるというのは、大きな利点といえるでしょう。注意点としては、子供が21歳に達した時点で、親の同伴家族として移民申請ができなくなるので、子供の年齢や大学への進学時期などを考慮し、早めに永住権申請準備の計画をたてることが良策だと思われます。

永住権取得に伴うディメリットとしては、全世界の所得が課税対象となるため日本の退職金も課税対象となる、米国に収入がなくなってもタックスリターンを提出する義務があること、などがあげられます。また、米国を継続して1年以上離れていると永住権は失効してしまいます。また、1年の半分以上を米国外で過ごした場合も米国に永住の意思なしとみなされ、入国時にグリーンカードを没収されることもあるので注意が必要です。したがって、米国を不在中も永住権を維持したい場合は、出国前に再入国手続きを行う方法もありますが、個々の事情に関しては弁護士の意見を求めたほうがよいでしょう。

第一優先枠にはそのほかにも(1) Aliens of extraordinary ability (傑出した業績をあげた外国人)や(2) Outstanding professors and researchers (並外れた実績のある大学教授や研究者)というカテゴリーもあります。

Aliens of extraordinary abilityに該当するには、申請者が科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツなどの分野で世界的に傑出した業績をあげたことを証明しなければなりません。このカテゴリーは雇用主のスポンサーは必ずしも必要ではありませんので、個人での申請も可能です。ただし、申請者が米国内でこの特定分野で引き続き就労を行うことを証明する必要があります。“Extraordinary ability”を証明するには、申請者がその分野でトップクラスの技能を有していることを証明します。ノーベル賞やアカデミー賞の受賞などはその証拠となるでしょう。このような国際的な賞でなければ、その他の証拠を3つ以上提示しなければなりません。例えば、国際的もしくは全国レベルの賞の受賞、専門団体の会員、研究内容の出版や発表、他の研究者の研究内容の審査、申請者に関する記事、企業や団体内での指導的役割、並外れた報酬、学会もしくは業界への貢献度、あるいはその他申請者の成功などに関する証拠を提示しなければなければなりません。

Outstanding professors and researchersに該当するには、まず申請者の 研究能力や業績が国際的に評価されていること、その研究分野で最低3年間の教職もしくは研究経験があること、さらに大学での教職、もしくは研究機関や私企業でこれに匹敵する研究職に従事することを証明しなくてはなりません。上記の条件を満たせば、申請者はその研究が如何に卓越しているかを証明するために、さらに2種類以上の証拠を提出しなければなりません。例えば、研究業績に対する賞の受賞、専門団体の会員、研究内容の出版や発表、他の研究者の研究文章への引用、他の研究者の研究内容の審査、学会もしくは業界への貢献度などを証明しなければなりません。

それぞれ審査時間は現時点では、およそ412ヶ月ほどかかっていますが、審査時間は頻繁に変更するので、その都度審査時間を確認した方がよいでしょう。また、移民局は2009629日から雇用主による移民申請書類のプレミアムプロセシング(特急審査)を再開する旨を発表しました。これに伴い、第一優先枠ではAliens of extraordinary abilityOutstanding professors and researchers のカテゴリーで申請する人は、プレミアム料金の$1,000を支払えば、審査を15日以内に終了することができるようになりました。しかしながら、第一優先枠の多国籍企業の役員・管理職は、プレミアムプロセシングの対象からははずされています。

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雇用による永住権の申請

Monday, June 1st, 2009

雇用主スポンサーによる永住権の申請過程は (1) 外国人労働許可の申請;(2) 外国人労働者移民申請;(3) 永住権申請の三段階に分かれます。

(1) 外国人労働許可の申請 (Labor Certification Application)

まず最初に、雇用主が労働局に対して外国人労働許可申請の申請を行いますが、雇用主は求人広告を掲載した結果、米国市民や永住権保持者で最低資格条件を満たす人材がいなかったことを証明しなくてはなりません。この証拠として雇用主の勤務場所に10日間の内部求人広告掲示、地元の政府機関に30日間の求人広告掲示を行うほか、地元で有力な新聞の日曜版に2回求人広告を載せます。さらに、“professional”な職種に該当すれば、この他にもジョブフェア;雇用主のウエブサイト;インターネットを使った求人広告 ;キャンパスでの求人活動;専門雑誌や業界新聞広告 ;就職斡旋会社 ;報酬付社員紹介制度 ;大学の就職課 ;ローカル新聞もしくはエスニック新聞 ;ラジオやテレビ広告、の中から3つの広告媒体を選び求人広告を載せる必要があります。すべての広告義務を果たし、米国市民や永住権保持者で該当者がいなかったら、オンラインにて外国人労働許可申請書を提出します。

しかしながら、2008年度後半から審査時間が大幅に遅れており、従来予定されていた45~60日の審査時間が今では9ヶ月まで長引いています。また、監査に回された書類は19-20ヶ月ほどかかっているようです。したがって、それぞれの滞在資格の有効期限には余裕をもって申請することが大切です。

 (2) 外国人労働者移民申請 (I-140 Immigrant Petition for Alien Worker)

外国人労働許可申請が承認されたら、雇用主は次に外国人労働者移民申請書を移民局に提出します。この審査期間は、申請枠や申請場所によってかなりの差がありますが、現時点において約4~20ヶ月年程要しています。外国人労働者移民申請には次にあげる5つの優先順位があり、それぞれ申請の待ち時間がことなります。

第一優先枠(EB-1)-科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツなどの分野で世界的に傑出した業績をあげた外国人、傑出した大学教授や研究者多国籍企業の役員・管理職

第二優先枠(EB-2)―科学、教育、ビジネス分野で優れた能力をもつ外国人、大学院卒業以上の学位保持者

第三優先枠(EB-3)-第二優先枠に該当しない大学学士以上の学位保持者、熟練・非熟練労働者

第四優先枠(EB-4)-宗教活動従事者

第五優先枠(EB-5)-投資家

申請者が第一優先枠に該当すれば、第一段階の外国人労働許可申請の申請過程を省くことができるため、永住権取得までの時間を大幅に短縮することができます。LやEビザ保持者で海外の関連会社で1年以上の管理職経験があれば、第一優先枠の“多国籍企業の役員・管理職”という項目に該当する可能性があります。駐在員の家族も一緒に永住権を申請できるので、子供のいる家庭では、大学の学費減免、奨学金の申請、就労の自由、などといったメリットがある反面、父親にとっては日本での退職金も米国の税金の対象になるといったディメリットもあります。子供は21歳をすぎると、親の同伴家族として永住権の申請はできなくなるので、時間には余裕をもって申請したほうがよいでしょう。子供が21歳になると、親の同伴家族としてEやLビザも維持できなくなるため、その場合、子供だけ学生ビザ、もしくはその他のビザ滞在資格に変更することになります。

(3) 永住権申請

(I-485 Application to Register Permanent Residence or Adjust Status)

外国人労働許可申請と外国人労働者移民申請が完了したら、最後に申請者本人が永住権の申請を行います。ただし、それぞれの優先枠には年間枠が割り当てられており、第3優先枠は2009年5月時点では枠がありませんが、10月から新年度の枠が割り当てられます。通常は3年から5年間ほどの待ち時間があります。第1と第2優先枠には、日本国籍保有者には2009年5月時点では待ち時間がありませんので、上記の外国人労働者移民申請と一緒に永住権の申請も提出することができます。永住権の審査時間は、現時点で20ヶ月程要しています。

永住権申請中の海外旅行に関しては、移民の意思を表明してもよいH-1BやLビザ保持者は、永住権申請中もH-1BやLビザで米国を出入国することができます。移民の意思を表明してはいけないB1/B2、F-1、J-1やEビザ保持者は、これらのビザでの米国への入国は拒否される可能性があります。この場合、永住権申請と同時に旅行許可証(Advance Parole)を申請すれば、永住権申請中も米国に出入りすることができます。ただし、この旅行許可証で入国すると、入国時にI-94上の滞在資格が“Parolee”となるため、今までの滞在資格を失うことになります。また個人の情況によってその他さまざまな注意事項があるため、担当弁護士に相談しながら、申請を進めていった方が無難でしょう。

また、永住権申請中に就労を希望する場合は、永住権申請と同時に就労許可証を申請することができます。現在の就労ビザの滞在資格がきれても、この就労許可証で引き続き就労することができます。配偶者も就労許可証を申請し、就労することができます。尚、就労許可証の使用に関しても、個人の情況によってその他さまざまな注意事項があるので、担当弁護士に相談しながら、申請を進めていった方が無難でしょう。旅行許可証、就労許可証ともに有効期限が切れる3-4ヶ月前には延長申請を提出することが望ましいでしょう。

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日本人駐在員と家族のビザオプション

Tuesday, November 18th, 2008

日本から派遣される駐在員は一般にEビザもしくはLビザを使います。いずれのビザも役員・管理職もしくは特殊知識や技術保有者に適用されるビザです。駐在員の場合、通常は米国で数年間勤務ののち、日本に帰国するケースが多いのですが、中には引き続き米国での滞在を希望し、永住権の申請をされる方もいます。永住権を申請する理由としては、主に本人が米国に残りたい場合と、家族が米国に残りたい場合とがあります。

雇用主が永住権のスポンサーになってくれる場合は、雇用主ベースの永住権の申請ができますが、雇用主が永住権をサポートしない場合は、転職を考えられる方もいるようです。EやL保持者の転職に関しては、新しい雇用主がEビザ会社であれば、Lビザ保持者でもEビザで転職することが可能です。これは、EビザはLビザと異なり、関連会社で1年以上の職務経験が必要、という規定がないからです。また、H-1Bの申請枠があれば、H-1Bでの転職も可能でしょう。EビザとH-1Bの違いは、Eビザは経験重視なのに対し、H-1Bは学歴重視だという点でしょう。H-1Bで転職する場合は、大学の専攻と職務内容が一致していなければなりません。大学の専攻が職種と異なっていれば、6年間ほど関連した職務経験を証明しなければなりません。一方、Eビザの場合は、役員管理職者の場合は管理職の経験年数、また、特殊技術保有者の場合は新雇用主にとって必要不可欠な技術能力を保持しているのかを厳しく審査されます。つまり、米国内で直ぐに人を雇って出来るような職務内容では難しいでしょう。従って、勤務年数の少ない人や特殊技術や専門知識に欠ける人の申請は難しいでしょう。

Eビザの申請は、在日米国大使館で直接ビザスタンプを申請する方法と、米国内にて移民局に滞在資格変更もしくは雇用主変更の申請する2通りの方法があります。在日米国大使館もしくは領事館でEビザを申請する場合は、5年間有効なビザスタンプが発行されます。ビザスタンプが有効な間は米国に数次入国することができ、入国時には毎回2年間有効な滞在資格を記したI-94カードを渡されます。米国内において、米国移民局に対して、Eビザの雇用主変更を申請する場合は、2年間有効なEビザ滞在資格(I-94)を申請することができます。時間に余裕のない方は、プレミアム料金を支払えば、申請書類に問題がなければ、15日以内に審査を終了することができます。

ところが、米国内において移民局にEビザ滞在資格を申請した場合、一旦国外に出国すると、出国時にEビザの認可通知書についてくるI-94カードを提出してしまうため、その時点でEビザの滞在資格を失ってしまいます。米国に再入国するためには、日本の米国大使館もしくは領事館でEビザスタンプの申請を行わなければなりません。EビザはLビザやH-1Bとは異なり、米国移民局が発行したEビザ滞在資格の認可通知書(Approval Notice)は米国大使館では使えないため、この場合、日本の米国大使館もしくは領事館の審査基準に従って、Eビザの資格を新たに審査されることになります。

さて、駐在員本人に帰国命令がでても、家族が米国に引き続き滞在したい場合があります。特に子供が思春期を米国で長期過ごした場合、子供が引き続き米国で就学を希望する傾向が多いようです。父親が帰国後も子供が学校を継続するために母親がF-1の学生ビザを取得し、子供をそのまま学校に通わせる人もいます。法律上は、母親がI-20(留学生に対する入学・在学証明)を発行してくれる学校に入学すれば、米国内にて滞在資格をF-1に変更申請することが可能です。お子様も21歳未満であれば、滞在資格を同伴家族用のF-2に変更し、就学を続けることができます。ただし、日本に一時帰国した場合、米国に再入国するには日本の米国大使館でF-1ビザを申請しなければなりません。この時に、母親のF-1の申請の理由が自分の学業目的ではなく、子供の米国での就学目的であると判断されると、ビザ発行を拒否される可能性があります。

その他の方法として、子供自身がF-1への滞在資格の変更申請を行うこともできます。子供が高校生の場合はI-20を発行してくれる私立校に入学すれば、F-1ビザを申請することができます。この場合、母親には家族用のビザはありませんが、ビザウエイバーや観光ビザで米国に入国することは可能です。公立校の場合は高校留学は1年間までしか認められないことに加え、学生一人当たりにかかる学費の支払いを義務付けられます。もし、高校を卒業するまでの短期間の滞在をご希望であれば、雇用主に父親の日本への転勤を子供の学校の学期末まで延期してもらうよう相談されるのもよいでしょう。

もし、子供が将来米国での就職を希望すれば、滞在資格をF-1から就労可能な滞在資格に変更することができます。しかしながら、最近では新卒者によく使われるH-1Bビザの発行枠が圧倒的に足りない情況にあり、就労ビザを申請するのが大変難しくなっています。また、学生ビザには就労に関してさまざまな制限があるため、就学しながら就労することは困難です。これを回避する方法として、父親が日本に帰国する前に永住権を申請する方法があります。

父親が日本で一年以上管理職で、米国でも管理職である場合、第一優先枠で永住権を申請できる可能性があり、比較的短期間に永住権を取得することができます。仮に第二優先枠で申請したとしても、永住権の申請まで待ち時間がないため、1.5年から2年ほどで永住権の審査が終了します。ただし、第三優先枠で永住権を申請する場合は、永住権申請までの待ち時間が現時点3年ほどあるので、かなり早めに永住権の申請を始めた方がよいでしょう。家族が永住権を取得した後は、父親が日本への帰国を命じられても家族の永住権は影響されないため、家族は引き続き米国に滞在することができます。

永住権を取得するもう一つのメリットとして、大学の学費があげられます。特に州立大学などでは、州内居住者と州外居住者とでは学費が大幅に異なり、州内居住者には比較的安価な学費が適用されますが、州内居住者の学費は米国市民や永住権保持者に限っている学校が多いようです。したがって、永住権を取得することにより、州内居住者の学費適用の対象となるため、州外の学生や外国人に課せられる高額な学費を回避することも可能になります。また、米国市民や永住権保持者対象の奨学金の申請も可能になります。さらに、永住権を取得していれば、子供は就学を行うかたわら、就労を行うことも可能になります。注意すべき点として、子供が21歳に達した時点で、親の同伴家族として移民申請ができなくなりますので、子供の年齢や大学への進学時期などを考慮し、早めに永住権申請準備の計画をたてることが良策だと思われます。

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