学生諸君へのアドバイス
【10/5/2006】
卒業が近づくにつき、就職活動やビザのことで色々と考えられていることと思いますが、ここでは学生諸君が在学中にどのような資格で就労することができ、また卒業後にどういった滞在資格でどのような就職を見つけることができるのかなどにつき、いくつかの留意点をご紹介いたします。
学生ビザ
皆様の多くはF-1ビザで米国に滞在されていますが、F-1ビザ保有者が合法的に就労出来る方法を紹介いたします。
1. On-Campus Employment
まず、F-1ビザ保有者は、移民局からの許可なしに学校内(On Campus)で就労することができます。学校内の職種には、学校の事務処理、教授の助手、図書館、コンピューター•ラボ、食堂など学校経営に携わるような職種が含まれますが、不明確な場合は大学のInternational OfficeのInternational Student Advisorに確認すること。学校内での就労時間は学期中は週20時間、夏休みや冬休みの休暇中は40時間認められています。
2. Practical Training (PT)
F-1ビザ保有者が学校外(Off Campus)で就労するには、Curricular Practical Traning (”CPT”)もしくはOptional Practical Training (”OPT”)を申請する方法があります。プラクティカル•トレーニング(”Practical Training”)とは、学位取得を目的とする学校にフルタイムで9ヶ月以上在籍した学生が申請できる就労許可であり、語学学校などはこれに該当しません。
Curricular Practical Training (CPT)
CPTとは、就労内容が大学での授業の一環として見なされる場合に与えられる就労許可です。従って、その就労内容が学位取得のためのコースワークとして必修であることを証明する必要があります。Work/study program, internship, cooperative educationなどがこれに該当します。
CPTで就労するには、就労を始める前に学校のDesignated School Official (”DSO”)の許可を得る必要があるので、事前に学校のInternational Student Advisorに相談することが重要です。DSOは、通常International Student Advisorが兼任しています。
Optional Practical Training (OPT)
OPTとは、学生が自分の専攻分野で実践的経験を積むことを目的に与えられる就労許可証です。OPTを利用すると一回に複数企業に勤めることもでき、また、勤め先が変わる都度に移民局に報告する必要はありませんが就労内容が専攻内容と一致していることが重要です。
OPTの申請は移民局に書類を提出して行いますが、その前に学校のDSOからI-20上にOPTの推薦を裏書してもらい、サインをもらいます。学校からの書類が揃ったら、OPTの申請用紙 Form I-765と必要書類を一式移民局に送付します。OPTの申請は学業の修了前に行う必要があるので、卒業の90日前に申請するよう心掛けましょう。
OPTは、学期中は週20時間 まで取得することができますが、夏休みや冬休みの休暇中および卒業後は週40時間取得することができ、最高で12ヶ月まで取得できます。OPTは学位毎に申請することができるので、学士レベルで申請した後、修士号、博士号を取得する度に新規にOPTを申請することができます。
尚、CPTはパートタイムでもフルタイムでも申請できますが、CPTをフルタイムで12ヶ月間以上利用した場合はOPTの申請が出来なくなるので注意が必要です。
就労ビザ
卒業後も引き続き米国に滞在することを希望する場合は、OPT期間12ヶ月に60日の猶予期間(グレイスピリオド)を合わせた14ヶ月以内に、F-1滞在資格(I-20)を延長する、もしくはH-1Bなどの就労ビザに滞在資格を変更する必要があります。
1. H-1Bビザ ビザ自体の詳細はビザの種類をご参照下さい。下記内容が重複する箇所もありますがご了承下さい。
H-1Bビザは、専門的知識もしくは特殊技能者を有する外国人適用される短期就労ビザの一種で、一般に大卒以上の学位取得者を対象としています。ところが、最近ではH-1Bの年間発行枠の大幅削減、審査の厳格化とH1-Bの取得が例年に比べ難しくなってきています。そこでH-1Bの申請に伴ういくつかの留意点を説明します。
まず、H-1B申請のための資格要件は下記の通りです。
1. 学士号以上の学歴、もしくはそれに相当する実務経験があること
2. 職務内容が取得学位と一致していること
3. 職務内容が専門知識または特殊技能を必要とする専門職であること
4. 雇用先の在米起業がビザのスポンサーになること
5. 雇用主がその地域の同職種に支払われる平均給与額もしくは申請企業の同職務に支払われている給与のうち、いずれか高い方を支払うこと
ところで、就職探しの際によく問題になるのが2番目の”職務内容が取得学位と一致していること”です。日本では通常自分が大学で取得した学位とは関係なく、自分の専門分野と違った部署に配属されることが多くありますが、アメリカでは取得学位や、大学でどの教科を履修したかを吟味されます。会計学専攻の学生が会計関係の職務につくのは問題ありませんが、政治学専攻の学生が会計の職務に就くことは出来ません。
それでは、政治学専攻の学生が企業に就職することはできないかというと、必ずしも不可能ではありません。政治学専攻の学生でもビジネス関連の教科を数多く(最低でも5つ以上)履修していれば、履修した科目に関連したような職種に就くことも可能です。ただし、ただビジネス関連教科を幅広く履修すればよいのではなくその職務に関連した教科を集中して取得することが重要です。例えば、エコノミック•アナリストを目指す方は経済学、ファイナンシャル•スペシャリストはファイナンス、マーケティング•アナリストはマーケティング、統計分析家は統計学や数学などと、教科を絞って対策を練るのが良いかと思われます。
また、学校の専攻分野と就職先の職務内容が異なり、且つ、その職務内容に関連した教科を履修していない場合、過去の職務経験を考慮することも出来ます。専門知識を必要する実務経験3年で4年生大学の1年に相当するので、その職務に関係した実務経験が6年以上あれば、H-1Bを申請することも不可能ではありません。
H-1Bの申請はF-1もしくはOPTの有効期限が切れる前に行う必要があります。審査に要する時間は、申請先の移民局の地域によって異なりますが、通常4ヶ月から5ヶ月程かかっています。OPTの有効期間が終了したらH-1Bが認可されるまで就労することは出来ないので、OPTの有効期限終了まで時間の余裕のない方は、移民局のプレミアム•プロセシング•サービスの利用をお勧めします。
このサービスには別途$1,000ドルの特急申請費用がかかりますが、15日以内に審査の回答を得ることが出来るので、時間に余裕の無い方、もしくはH-1Bの発行枠があまり残っていない場合にお勧めです。
H1-Bはスポンサー企業での就労に限定されていることから、転職を希望する場合、新しい雇用先が新たにH-1Bの申請手続きを行わなくてはありません。I-94が有効であれば、新しいH-1B申請を行った時点から、新しい雇用先で働き始めることが出来ます。
H-1Bの有効期間は3年で、その後3年の延長で最長6年まで延長が可能です。H1-Bの有効期間中に永住権(グリーンカード)の申請を開始し、既に1年間が経過していれば、7年目、8年目とH-1B滞在資格の延長申請が可能です。また、H1-Bの6年目終了までに移民申請が認可されており、永住権申請まで年間枠を待っている方は、永住権申請の順番が回ってくるまで、H-1Bの6年目以降は3年毎に更新することができます。
H-1Bビザには毎年人数枠が設定されており、その人数枠を達した時点で翌年までH-1Bの申請が出来なくなるので、滞在資格の変更申請に関しては早めに移民法専門の弁護士に相談することが大切です。
【7/5/2006】
ご希望の大学に入学され、学生時代を有意義に過ごされていると思いますが、卒業が近づくにつれ、仕事や就職先について色々と考えられていることと思います。米国での就職をご希望の方は、就職のみならず、ビザのスポンサーシップも考慮しなければなりません。そこで、学生の皆様が就職活動を行うにあたり、“せっかく卒業したのに就職できない!?”ということにならないよう、H-1Bやその他就労ビザを取得するための留意点を説明いたします。
まず、H-1B申請のための基本条件として、職務内容が取得学位の専攻と一致していることが重要です。日本では通常自分が大学で取得した学位とは関係ない分野に就職したり、また、自分の専門分野と違った部署に配属されることが多くありますが、アメリカで就労ビザを取得するには、取得学位や専攻科目が職務内容に関連しているか、もしくは過去に同種の職務経験があるかなどを審査されます。
H-1Bとは、一般に専門職ビザ(”specialty occupation”)といわれています。つまり、その専門職に関連する専門学位を取得していることが基本となります。したがって、会計学専攻の学生が会計関係の職務につくのは通常問題はありませんが、大学の専攻とはまったく違う職務につくには問題が生じます。それでは、大学の専攻と異なる職種に就くことはできないかというと、必ずしもそうではありません。
H-1Bの資格条件は“学士号以上の学歴、もしくはそれに相当する実務経験があること”とあります。つまり、専門知識を必要とする実務経験3年で4年生大学の1年に相当するとみなされているため、大学の専攻科目が職務内容と異なる場合は、その専門職務分野での実務経験が6年以上あることを証明できれば、H-1Bを申請することは不可能ではありません。この場合、その専門分野の権威者から、その職務経験が大学の専門課程に相当するものである、という旨の職歴評価書を取得することにより、H-1Bの申請を行うことが可能になります。また、専攻科目が職務内容と異なっていても、副専攻科目として職務内容に関連する科目を数多く履修していれば、上記同様H-1Bの申請が可能になってきます。
注意していただきたいのは、専攻分野の範囲が広く、履修科目が多岐にわたる場合、専門性に欠けるとして ”specialty occupation”に該当しないと移民局に判断されることがあります。したがって、専門科目を絞って履修することが大切です。例えば、ビジネス専攻の場合、ビジネス関連教科をただ幅広く履修すればよいのではなく、その職務に関連した教科を集中して取得することが重要となります。例えば、エコノミック・アナリストを目指す学生は経済学に関係する科目、会計やファイナンス関連職を目指す方は会計やファイナンス科目、またマーケティング・アナリストを目指す方はマーケティングや経済学、統計分析を主とする職種では統計学や数学と、就職を考慮した教科選びをされることをお勧めします。
EビザやLビザ申請の場合は、職歴を重点的に審査されます。もちろん大学の専攻も関わってきますが、その雇用主特有の技術や知識をもっているかを審査されますので、過去に関連企業もしくは同様な職種での職務経験のない場合は、OPT期間を利用して、必要な技術や知識を身につけることをお勧めします。ただし、Lビザを申請するには、1年以上米国外の関連企業での勤務歴を条件としていますので、日本もしくは第3国で特殊技術や知識を必要とする職種、もしくは管理職として、最低1年間勤務することにより、1年後にはLビザを申請することも可能になってきます。
2004年度よりH-1Bの発行枠が大幅に削減され、また就労ビザの申請基準も年々厳しくなっているため、自分が希望する職種につく条件を満たしているか、どの就労ビザがより適切か、また移民局への申請のタイミングなど、お早めに就職斡旋会社や移民専門の弁護士に相談されることをお勧めします。


