雇用による永住権の申請
Monday, June 1st, 2009雇用主スポンサーによる永住権の申請過程は (1) 外国人労働許可の申請;(2) 外国人労働者移民申請;(3) 永住権申請の三段階に分かれます。
(1) 外国人労働許可の申請 (Labor Certification Application)
まず最初に、雇用主が労働局に対して外国人労働許可申請の申請を行いますが、雇用主は求人広告を掲載した結果、米国市民や永住権保持者で最低資格条件を満たす人材がいなかったことを証明しなくてはなりません。この証拠として雇用主の勤務場所に10日間の内部求人広告掲示、地元の政府機関に30日間の求人広告掲示を行うほか、地元で有力な新聞の日曜版に2回求人広告を載せます。さらに、“professional”な職種に該当すれば、この他にもジョブフェア;雇用主のウエブサイト;インターネットを使った求人広告 ;キャンパスでの求人活動;専門雑誌や業界新聞広告 ;就職斡旋会社 ;報酬付社員紹介制度 ;大学の就職課 ;ローカル新聞もしくはエスニック新聞 ;ラジオやテレビ広告、の中から3つの広告媒体を選び求人広告を載せる必要があります。すべての広告義務を果たし、米国市民や永住権保持者で該当者がいなかったら、オンラインにて外国人労働許可申請書を提出します。
しかしながら、2008年度後半から審査時間が大幅に遅れており、従来予定されていた45~60日の審査時間が今では9ヶ月まで長引いています。また、監査に回された書類は19-20ヶ月ほどかかっているようです。したがって、それぞれの滞在資格の有効期限には余裕をもって申請することが大切です。
(2) 外国人労働者移民申請 (I-140 Immigrant Petition for Alien Worker)
外国人労働許可申請が承認されたら、雇用主は次に外国人労働者移民申請書を移民局に提出します。この審査期間は、申請枠や申請場所によってかなりの差がありますが、現時点において約4~20ヶ月年程要しています。外国人労働者移民申請には次にあげる5つの優先順位があり、それぞれ申請の待ち時間がことなります。
第一優先枠(EB-1)-科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツなどの分野で世界的に傑出した業績をあげた外国人、傑出した大学教授や研究者、多国籍企業の役員・管理職
第二優先枠(EB-2)―科学、教育、ビジネス分野で優れた能力をもつ外国人、大学院卒業以上の学位保持者
第三優先枠(EB-3)-第二優先枠に該当しない大学学士以上の学位保持者、熟練・非熟練労働者
第四優先枠(EB-4)-宗教活動従事者
第五優先枠(EB-5)-投資家
申請者が第一優先枠に該当すれば、第一段階の外国人労働許可申請の申請過程を省くことができるため、永住権取得までの時間を大幅に短縮することができます。LやEビザ保持者で海外の関連会社で1年以上の管理職経験があれば、第一優先枠の“多国籍企業の役員・管理職”という項目に該当する可能性があります。駐在員の家族も一緒に永住権を申請できるので、子供のいる家庭では、大学の学費減免、奨学金の申請、就労の自由、などといったメリットがある反面、父親にとっては日本での退職金も米国の税金の対象になるといったディメリットもあります。子供は21歳をすぎると、親の同伴家族として永住権の申請はできなくなるので、時間には余裕をもって申請したほうがよいでしょう。子供が21歳になると、親の同伴家族としてEやLビザも維持できなくなるため、その場合、子供だけ学生ビザ、もしくはその他のビザ滞在資格に変更することになります。
(3) 永住権申請
(I-485 Application to Register Permanent Residence or Adjust Status)
外国人労働許可申請と外国人労働者移民申請が完了したら、最後に申請者本人が永住権の申請を行います。ただし、それぞれの優先枠には年間枠が割り当てられており、第3優先枠は2009年5月時点では枠がありませんが、10月から新年度の枠が割り当てられます。通常は3年から5年間ほどの待ち時間があります。第1と第2優先枠には、日本国籍保有者には2009年5月時点では待ち時間がありませんので、上記の外国人労働者移民申請と一緒に永住権の申請も提出することができます。永住権の審査時間は、現時点で20ヶ月程要しています。
永住権申請中の海外旅行に関しては、移民の意思を表明してもよいH-1BやLビザ保持者は、永住権申請中もH-1BやLビザで米国を出入国することができます。移民の意思を表明してはいけないB1/B2、F-1、J-1やEビザ保持者は、これらのビザでの米国への入国は拒否される可能性があります。この場合、永住権申請と同時に旅行許可証(Advance Parole)を申請すれば、永住権申請中も米国に出入りすることができます。ただし、この旅行許可証で入国すると、入国時にI-94上の滞在資格が“Parolee”となるため、今までの滞在資格を失うことになります。また個人の情況によってその他さまざまな注意事項があるため、担当弁護士に相談しながら、申請を進めていった方が無難でしょう。
また、永住権申請中に就労を希望する場合は、永住権申請と同時に就労許可証を申請することができます。現在の就労ビザの滞在資格がきれても、この就労許可証で引き続き就労することができます。配偶者も就労許可証を申請し、就労することができます。尚、就労許可証の使用に関しても、個人の情況によってその他さまざまな注意事項があるので、担当弁護士に相談しながら、申請を進めていった方が無難でしょう。旅行許可証、就労許可証ともに有効期限が切れる3-4ヶ月前には延長申請を提出することが望ましいでしょう。
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