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分析化学の専門知識を生かし、派遣から正式採用へ (大石豊子さん)
 
 
1.大学在学中に、何を学びましたか?

サンディエゴ北部の Palomar Community College から、San Diego State University (SDSU) へ2002年9月に編入し、2005年8月に、B.S. of Chemistry の学位を取得して卒業しました。有機化学、無機化学、生化学、物理化学、分析化学等の専攻のクラスは勿論、物理学、数学、生物学といった、殆どのサイエンス系の科目が履修科目となっていました。

上のクラスに進むにつれ、実験に費やす時間が多くなり、一度に沢山の数の授業を取れなくなる事がわかっていたので、コミュニティカレッジ時代に、専攻科目を受ける為の必須科目である数学や物理学、それから化学の基礎系のクラス等、できるだけ沢山のクラスを取りました。

化学専攻の殆どの生徒は、遅かれ早かれ Master や Ph.D の学位を取得する事を予定しているようです。また、Medical School や、Pharmacy School に進むコースと履修科目が殆ど一緒なので、同級生は、化学の学位取得が目的ではなく、医薬系を目指している生徒が結構多かったです。

 
2.就職活動をする際に、どうやって企業情報を得ましたか?
また、周りの学生はどのように就職活動をしていましたか?

企業の情報収集も、求職活動も、いくつもの方法があり、それぞれに一長一短があると思うので、うまく使い分ける必要があると感じました。

私が最も活用した情報源は、インターネットです。
インターネットの長所は、何と言っても、その情報量でしょう。サーチエンジンにキーワードを入力するだけで、ものすごい数の情報を世界中から引っ張って来てくれます。インターネットのお陰で、知らなかった企業の情報や、ジョブフィールドの情報が得られたりします。私はサイエンス系の仕事を探していましたので、情報収集には、全米の、バイオテクノロジーを中心としたサイエンス系企業の情報が地域別に入手できる、BioSpace(http://www.biospace.com/)をよく利用しました。
短所は、良いresume (職務経験が長かったり、ライセンスを取得している等) を持っていないと、仕事を見つけられる確率は低いという事です。

そしてもうひとつは、人を介しての情報収集や就職活動です。
この分野で威力を発揮するのが、学校を通して知り合った人たち、つまり、教授や留学生オフィスのアドバイザー、そしてまわりの学生達です。
教授、 それからMaster や Ph.D の学生というのは、企業や団体と提携して研究をしている事が多いので、仲良くしておくと、Summer Job やボランティアを始めとした、あらゆる求人を持ってきてくれます。また、興味がある企業へコンタクトをとる場合でも、自分が直接出向くより、教授等を介して道をつけてもらった方が断然スムーズにいく筈です。私の学生時代、一緒に実験をしている同級生が、自分が働いている研究所で人を探しているので、働かないか?と誘ってくれたのですが、その時は勉強で手一杯だったので、せっかくの貴重なチャンスを逃してしまいました。このように、学校のつながりを介しての就職活動は、数が少ない上に不定期ですが、自分の事を知った上で、仕事先とのコネクションのある人(教授や学生)が仲介してくれるので、仕事に結びつくチャンスは非常に高いです。

それから、やはり一番確実だと思うのが、インテレッセ社のような、日系の人材紹介システムを利用する事です。
どんな状況の人が、どんな仕事を探しているのか、また、どんな企業がどんな人材を探しているのか、日系の人材紹介会社は、外国で求職をする、また、会社を経営している日本人の事情を、やはり一番良く理解されていると思うからです。

とにかく、一番難しいのが、働き始める「きっかけ」を掴む事です。これは、外国人に限らず、アメリカ人でも同じです。私の周りの学生は、ほぼ100%がアメリカ人だったのですが、生活費を稼ぐ為にラボ助手として働いていたり、世界的に有名な研究所で無給のインターンとして働いていたり、教授と企業や研究所の共同研究のサポートをしたりと形は様々ですが、彼らの多くは、既に何らかの形で、外の世界と繋がっていました。そういう積極性がないと、望み通りの仕事を、望んだ時期に手に入れるのは難しいという事でしょう。

 
3.どのようにして、今現在働いていらっしゃるお仕事を見つけましたか?
差し支えなければ、会社名をお教下さい。
日系の製薬会社で働かせて頂いています。現在就業中のポジションは、大学卒業後のOPT期間中に、インテレッセ社よりテンポラリーの派遣ポジションとしてご紹介頂きました。その後、大変な幸運が重なって、思いがけず就業先がH1-bビザサポートを決定して下さり、現在手続きが進行中です。
 
4.今のお仕事に決めたポイントは何ですか?

答えはとてもシンプルです。
今の仕事が、まさに自分が働きたかった理想のフィールドだからです。

インテレッセ社より現在のお仕事を紹介頂いた時、実は、他のジョブコンサルティング会社から、ビザサポート付きのお仕事の紹介をいくつか頂いていたのです。しかし、贅沢な話ですが、オファー頂いたどの仕事も、いま一つ乗り気になれず、お返事を先延ばしにしていました。日本へ帰りたくないのに、何故目の前にある、望めば手に入るポジションに食指が動かないのか、自分でも不思議でした。

アメリカに住みたいのか、それとも、自分の望む仕事に就きたいのか?
もし、片方だけしか望みが叶えられないのなら、どちらを選ぶのか?
そんな質問が、常に頭の中をぐるぐる回って、自分では相当悩んでいたつもりだったのですが、よく考えると、答えはとうの昔に出ていたんですよね。
私は、やっぱり自分がやりたい事に挑戦してみたかったのです。

しかし、現実はそう甘くはありません。
夏から数ヶ月続けている就職活動もうまくいかず、これは諦めるしかないかな、と思い始めた年の瀬に、登録させて頂いたインテレッセ社より運命の電話がかかってきたのです。

「週に20時間程度の、製薬会社のラボ助手のポジションで、OPTが終わる日までの契約ですが、いかがでしょうか?」 インテレッセ社の方が、そういい終わるか終わらないうちに、“製薬会社”という言葉に脊髄反射して、「はい、是非やらせて頂きたいです。」 と、即答していました(笑)。

フルタイムではない、あくまでも助手である、OPTの期間内しか働けない・・・。条件としては、アメリカで職を探している人間にとっては決して良いとは言えないものですが、とにかく、自分の興味のあるフィールドに潜り込む事ができるというのがとても魅力的でした。

その後、企業に出向き面接を受けた後、めでたく採用が決まり、現在に至ります。

 
5.California での生活はいかがですか?
カリフォルニアは大きな州ですが、日本のように細長いので、自宅から1時間も車で走れば、都会も大自然も、両方楽しめる所が素晴らしいと思います。また、ゴルフやキャンプ等のレジャーも、日本よりも少ない予算で楽しめるのは、とても嬉しいです。日本では花粉症持ちだったのですが、アメリカでは、その症状がほとんど出ないのがありがたいです。気候もいいし、言う事ありません。
ただし、ここしばらくの間続いている、住宅価格の高騰には閉口しています。アメリカにこのまま住む事になれば、何かしら不動産を購入する事になるでしょうが、通勤圏内の不動産価格を見ては、その、まるで東京都心の新築マンションのような価格に、ため息をつくばかりです。
いや、今は、東京の方が不動産価格は安いかも知れませんね(笑)。
 
6.今後のビジョン(将来の目標等)を教えて下さい。

現在の職場には素晴らしい化学者達が在籍しているので、当面の間は、彼らを目標に、一日も早く一人前の分析化学者になる事に専念します。

しばらく働いてみて、必要であれば、学校や研究施設等、勉強ができる環境へ戻る事も考えています。しかし、もう若いと言える年齢ではありませんので、全く新しい分野に挑戦するというより、現在のフィールド(分析化学)を軸にして、知識の裾野を広げたり、深さを増したりする、という学び方になると思います。例えば、TVの人気番組CSI等でお馴染みの Forensic Science(科学捜査/法医科学)も、大いに分析化学が活躍しますし、私自身も興味がある分野なので、チャンスがあれば、是非勉強してみたいと思っています。

 
7.これから就職活動をする学生に何かアドバイスはありますか?

一番大切なのは、一日も早く、学校以外の世界と繋がる事、そして、一人でも多くの人に、自分の事を知ってもらう事です。

一流の大学をパーフェクトな成績で卒業して、自信満々で就職活動を始めても、自分の事を知る人が一人もいなければ、アメリカで仕事を探すのは容易ではないと思います。学生時代のボランティアやインターンシップが大切だというのは、なにも自分自身が経験を得られるからだけではないのです。就職活動の時に、学生時代の、学外での活動記録が重視されるのは、求職者が、どれだけ信頼性のある人間か、という事を、本人の口からではなく、第三者からの評価で知りたいからです。

遅刻や無断欠勤をせず、きちんと職場に出向く。
与えられた仕事は、内容に拘わらず、自分が出来うる最高のレベルで仕上げる。

これだけをやり遂げられて、それを他の人から認めてもらえれば、学生時代のボランティアやインターンシップのゴールとして十分じゃないでしょうか。
「この人に任せたら確実だ。」という人材を、企業は一番欲しています。仕事ができるというのは、専門分野で突出した才能がある事を指すのではなく、与えられた、または任せられた仕事を、相手の期待通りに完遂する能力の事を言うのだと思います。

何だか、具体的な就職活動のアドバイスにはなりませんでしたが、仕事を見つけるきっかけの参考になったら嬉しいな、と思っています。

毎日コンピュータの前に座って求人情報とにらめっこしながらresumeを送信するばかりの生活を送っていたら、3カ月なんて、あっという間に過ぎてしまいます。これから、夏に向けて、Summer Job のシーズンに入ります。期間限定という事もあり、私たち外国人も、OPTの期間を気にしなくても働けるので、比較的仕事が見つけ易いと思います。とにかく、まずは外に出て動いてみて下さい。

 



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