OPT・CPTに関する新しい方針

2017年4月にトランプ大統領が “Buy American Hire American” という大統領令を発表してから、労働局、移民局、国務省など各政府機関は、アメリカ人の採用を優先するための措置を取るように指示を受け、これにより各種ビザ審査が一層厳しくなりました。最近では、事前の通告なく移民局内部の方針が変更されていることが多くみられるようになり、ビザ保持者の滞在資格維持に影響を及ぼすようになっています。下記にOPTとCPTに関する最近の移民局の新しい方針について説明します。

F-1ビザの学生は卒業前か卒業後にOptional Practical Training (“OPT”) を申請して、12か月まで学校外の企業や団体で仕事をすることができます。OPTとはアメリカで学位取得を目的とする大学にフルタイムで9ヶ月以上在籍した学生が、学校外の企業で申請できる就労許可証のことです。OPTは各学位レベルに対して12ヵ月申請することができます。STEM学位に該当する理系の学生であれば、OPTをさらに24か月延長することができますが、延長申請時には雇用主が24か月間の研修計画書を提出しなければなりません。

今年1月には事前の通告なしに、移民局のウエブサイトにいつのまにかSTEM-OPT保持者の派遣会社の顧客先での就労を制限する内容が追加されていました。このため、H1Bの審査中に、申請者がSTEM-OPTを使って雇用主以外の場所で就労していたという理由で、滞在資格違反を問われました。これに対しIT派遣会社連盟が移民局に対し訴えを起こしましたが、判決が出される直前に移民局が妥協した形となりました。つまり、STEM-OPTの就労は研修目的を達成し、研修提供社が雇用主としての条件を満たせば、雇用主の職場以外の場所での就労 (例えば、オンラインや遠距離雇用) は許されるとされました。また、派遣会社やコンサルティング会社が雇用主となる場合は、派遣会社やコンサルティング会社自体が研修を提供するもので、雇用主の条件を満たしていれば、STEM-OPTを利用して学生を採用してよいとされました。

最近では、OPTとCPTを合計で12か月以上使って就労した学生は移民法違反とみなされ、H1Bが却下される傾向がみられるようになりました。Curricular Practical Training (“CPT”) は、その就労が学校の単位になる場合、若しくは就労が学位取得に重要な役割を果たすことが条件となっています。CPTも12ヵ月まで申請することができますが、CPTを12か月全部使用した場合はOPTは申請できない規定となっています。今までは、学生はCPTを12か月間すべてを使わなければ、そのあとはさらにOPTを申請して仕事を続けることができました。ところが、最近、同じ学位レベルでOPTとCPTの両方を使って12か月以上就労した学生は移民法違反だという理由で、H1Bが却下される例がみられるようになりました。この移民局の新しい方針が果たして合法であるかは、今後議論されると思われますが、このような状態にある現時点においてはOPTとCPTの合計使用期間に注意する必要があると思われます。

更に、滞在期限がD/S (=Duration of Stay) で特定年月日が明記されないF-1、J-1、M-1ビザ保持者は、以前は、裁判官から強制送還の通知が発行されない限りは不法滞在扱いになりませんでしたが、今年の5月からはこれらのビザ保持者もI-20やDS2019に書かれてある滞在期間を超えて滞在した場合、或は、事前の許可なしに期間中に学校や研修プログラムを中断した場合は滞在資格違反となり、3/10年入国禁止の対象になります。つまり、一回の入国で許可された滞在期間を180日超えて滞在すると3年間はアメリカへの入国が禁止となり、また、不法滞在が365日を超えると10年間アメリカへの入国禁止となります。従って、OPT/CPTを12か月以上使ったという理由で後になってH1Bを却下された場合、違反した時点に遡ってオーバーステイが換算されるようになったので、3/10年入国禁止の対象にならないよう注意が必要です。