コロナの影響と学生ビザ

F-1やM-1 (専門学校) の学生は、合法な滞在資格を維持するためにはフルタイムで学校に通う必要があります。また、F-1学生は一学期に一コマ (3 クレジット) までオンライン授業を取ることが許されています。しかしながら、コロナの影響により、全米の各学校で教室内の授業からオンライン授業への変更がみられるようになりました。これに対し、学生・交換訪問者プログラム (SEVP) は2020年3月に、2020年の春学期と夏学期は一学期に一つ以上オンラインクラスをとってよいという暫定的な措置を発表しました。

その後、2020年7月6日には秋学期の授業に関する新しい方針が打ち出され、F-1とM-1学生は秋学期には全授業がオンライン化した学校には通学することはできないと発表しました。国務省はこれらの学校に対するビザの発行を拒否し、また、米国税関・国境警備局はこのような学校への入学目的であれば入国を拒否すると発表しました。7月の新方針では、教室内授業とオンライン授業のハイブリッド形式を採用している学校であれば、一学期にオンラインクラスを一つ (3 クレジット) 以上取ることが許されますが、全授業が完全にオンライン化された場合、教室内授業のある学校に転校するか、或はアメリカを出国して国外でオンラインクラスを取るなどの措置をとらなければ、滞在資格違反となり退去処分の対象となりました。また、M-1ビザ保持者やF-1学生ビザで語学プログラムに通う場合は、オンラインクラスは認められませんでした。

この7月の新方針に対して、7月14日にはハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が政府に対し訴えを起こしました。これに対し、政府は7月の方針を撤回し、秋学期の授業に関しては3月時点の方針を継続することに合意しました。従って、現時点での学生ビザ保持者の秋学期に関する方針は以下のようになります。

【アメリカ国内にいる既存の学生】 F-1やM-1学生は非移民滞在資格を維持するためには、フルタイムの授業を受ける必要があります。秋学期の授業は教室内授業でも、オンライン授業でも構いません。学生大学のインターナショナルオフィスのDesignated School Official (DSO) に連絡をとり、もし、コロナの症状がある場合は一学期のクラスの数を減らしてもらうなどの措置をとってもらうことができます。

【アメリカ国外にいる既存の学生】 学生はアメリカ国外からオンラインクラスをとることもできます。アメリカ国内でSEVISシステム上にF-1学生の滞在資格をActiveにしてもらった後に、国外から春、夏、秋学期のいずれか或は全部をオンラインで履修する場合、フルタイムの授業を受けている限りは、F-1の資格を維持したものとみなされます。国外で履修した学期も、OPTやCPTを申請するために必要な一年分の学期履修条件を満たしたとみなされます。また、国外にいる既存の学生はアメリカにもどって教室内やオンラインのクラスをとることもできます。今回コロナの例外措置として、春、夏、秋学期を国外からオンラインで履修した場合、アメリかを5か月間不在にしても、F-1の学生の資格は取り消されません。

【アメリカ国内にいる新規の学生】 アメリカ国内にいる新規学生が既に学校に連絡を取った場合、SEVISシステムに学生滞在資格をActiveにしてもらい、フルタイムの授業を登録します。授業形態はクラス内、オンラインのいずれでも構いません。

【アメリカ国外にいる新規の学生】 新規にF-1ビザを申請する学生、或は既にF-1ビザを取得したがまだ渡米していない学生は、大学に連絡して、入学時期を遅らせてもらうなどのアクションをとらなければなりません。

なお、上記は一般的情報であり、各学校が独自の規定を設けている場合もあるので、必ず学校の規定も確認する必要があります。また、移民法に関しては政府の方針が随時変更しているので、必ず学校のインターナショナルオフィスのDSOに連絡をとり、自分の滞在資格がSEVISシステム上で合法であることを確認することが大切です。

大統領令 – 短期就労ビザの制限

2020年6月22日に新たに大統領令が発表されました。この声明は2020年6月24日午前12時1分から施行され、2020年12月31日まで有効となります。今回の大統領令により、H1B専門職ビザ、H2B季節労働者ビザ、J-1交換留学・研修ビザ、L-1関連会社間転勤ビザ申請者及びこれらビザ申請者の家族のアメリカへの入国制限が設けられます。J-1交換留学・研修ビザには14種類ありますが、その中の企業研修、学校の先生、キャンプカウンセラー、オペア、大学生のインターンシップや夏のワークプログラムが対象となります。これらのビザ申請者は最長でも年末まではビザが申請できなくなります。幸い日系企業によく使われている国家間の条約により設けられているEビザは対象とはなっていません。

対象となるのは、(1) 大統領令発効時点で国外に滞在していた人、(2) 大統領令発効時点で有効な非移民ビザスタンプを保持していない人、且つ (3) 大統領令発効時点で有効なビザスタンプ以外の旅行許可証 (トランスポーテーションレター,ボーディングフォイル,臨時入国許可書等) を保持していない人、或は大統領令発効以降に発給された米国への入国を許可する証書を持たない人です。

以下の者は対象外となります。(1) アメリカの永住権保持者、(2) アメリカ市民の配偶者や21歳未満の子供、(3) アメリカ国内で食品サプライチェーンに不可欠な業務に従事する人、(4) 国務長官と国土安全保障長官或は指名された者によりアメリカの国家利益になると判断された人。アメリカの国家利益とはアメリカの防衛、法執行、国家安全に重要な人物;新型コロナウイルス感染者の治療従事者;新型コロナウイルスの医学研究者;緊急且つ継続的にアメリカの経済回復を促進するために必要な人を指します。なお、これらのビザの一時発給停止により、同伴家族としてビザを申請できる年齢を超えてしまった子供に関しては、法の適用外とします。各国領事館のオフィサーが上記の例外に該当するか判断することになります。

今後、国家安全保障長官、国務長官、労働局長などはこれらの声明を受けて、さらに適切な措置を構築し施行することになります。これら政府機関の今後の課題として下記の項目があげられます。

  • H1Bの年間枠の効率的な割り当てを再検討し、H1B保持者の存在がアメリカの労働者に不利にならないように、適切な措置をとる。可能性としては高所得者を優先するなど考えられる。
  • アメリカ国内でH1B申請者や第2と第3優先枠による永住権申請者がアメリカ人の職を奪うものではないことを再確認するために規定を設け、必要に応じて調査する。
  • H1B雇用主のLabor Condition Application (LCA) の違反がないか調査する。
  • 永住権申請者は本人の経歴情報、写真や指紋などの生体認証情報を登録するまでは永住ビザの申請やアメリカへの入国はできないように確認すること。
  • 強制退去命令を受けている者、入国拒否や退去処分の対象者、逮捕や有罪判決を受けた者がアメリカ国内で就労できる資格を阻止する措置を取る。

新型コロナウイルス (COVID-19) の蔓延のため2020年3月19日より各国でのアメリカの非移民ビザ面接が中止しており、未だ再開の目途がたっておりません。現時点では緊急面接と郵送による延長申請ができる人のみビザが審査されています。さらに、4月22日には大統領の声明が発表され、新規の永住ビザの申請を60日間暫定的に停止しました。これにはアメリカ市民の配偶者や21歳未満の子供、米軍従事者、米国法執行を助成する者、米国の国家利益になると判断されたものなどが対象外とされています。今回の声明を受け、国外での永住権申請の一時停止は年末まで引きのばされることになります。国土安全保障長官は国務長官と労働長官と共に6月24日から30日以内、其の後60日毎に状況を検討し、必要に応じて訂正を助言することになります。

自宅勤務とH1B規定遵守

新型コロナウイルス (COVID-19) の蔓延のために、社員の解雇、一時帰休、時間削減、或は自宅勤務を強いられていた社員も、徐々に職場に戻る傾向がでてきています。しかしながら、職場の安全対策の不備、或は感染を極力避けるために、依然として自宅勤務を推奨している雇用主も多く見受けられます。そこで、就労ビザ保持者の勤務体系の変更についての注意点について説明します。

通常の就労ビザ保持者は、遂行する職務内容に多大な変更がない限りは、移民局に対して訂正申請をする必要はありません。ただ、H1B就労ビザに関しては平均賃金順守の義務があるため、H1B社員の職務内容に変更がなくても、勤務地が変わる前に移民局に訂正申請を行わなければならない場合があります。

【平均賃金の順守】 H1B 雇用主には平均賃金順守の義務があります。雇用主はH1B社員に対し、その地域内で設定されている当該ポジションの平均賃金レベル、或は、同職社員に支払われている賃金のいずれかの高い方を支払う義務があります。勤務地が複数ある場合は、各勤務地の平均賃金を個別に調べ、社員に支払う給与額がそれぞれの勤務地の平均賃金を下回っていないことを確認しなければなりません。平均賃金は各地域毎に設定されますが、一地域には通常複数の周辺カウンティーが含まれています。

【社内掲示】 雇用主はH1B社員のポジション、賃金、勤務場所、勤務期間などの情報を記載した社内掲示書を社員の全ての勤務場所のそれぞれ2か所に10営業日間掲示しなければなりません。これは、外国人を低い給与額で雇うことによりアメリカ人の職を奪うのを阻止する目的です。従って、もしH1B社員の給与額や勤務内容に違反があれば、社員は労働局に通報することができます。社内掲示がおわったら、掲示場所を明記し、署名したものをPublic Access Folder (PAF) に保管します。PAFには賃金や勤務地情報を保管します。第3社から希望があればいつでも閲覧できるように、H1B社員のPAFは全て一か所に保管しなけれなりません。

【労働条件申請書】 H1B書類を移民局に提出する前に、雇用主は労働局からLabor Condition Application (LCA) の承認を得なければなりません。LCAには勤務地、平均賃金、給与情報を記入し、上述の社内掲示の掲示開始後に、LCAをオンラインで労働局に提出します。勤務地が複数ある場合は、各勤務地の平均賃金情報を記載し、H1B社員に支払う実際の賃金額が各勤務地の平均賃金を下回っていないことを証明します。LCAが承認されたら、H1B申請書類と一緒に移民局に提出します。LCAのcopyもPAFに保管します。

【勤務地変更・追加】 一般に、H1B社員はLCAに記載された住所のみで働くことができます。記載された住所以外の場所で勤務する場合は、移民局に訂正申請を提出する必要があるか、事前に検討しなければなりません。

  • 社外での短期勤務。H1B社員は一年に合計30日まで、LCAで申請した住所以外の場所で勤務することができます。申請した場所以外での勤務が年間に30日を超える場合は、その勤務先で社内掲示をするか、或は移民局に訂正申請を提出する必要があるかを検討しなければなりません。
  • 自宅内掲示。自宅勤務に変更になった場合、自宅住所管轄のカウンティーが平均賃金の当該地域に含まれていれば、移民局にH1Bの訂正申請を提出する必要はありません。その場合、自宅勤務が始まる前に、自宅2か所に社内掲示書を10営業日間掲示し、掲示が終わったら、掲示書に署名をし、PAFに保管します。
  • 移民局への訂正申請。自宅勤務で自宅住所が平均賃金の当該地域に含まれていなければ、勤務地が変更になる前に移民局にH1Bの訂正申請を提出する必要があります。その場合、新たに自宅住所の平均賃金を調べ、自宅住所の平均賃金が支給給与額より下回っていないことを確認します。自宅住所を書いた社内掲示書を自宅の勤務場所2か所に10営業日間掲示し、掲示開始後にLCAをオンラインで労働局に提出します。これが承認されたら、移民局にH1Bの訂正申請を提出します。移民局への提出後、新しく追加した勤務地で勤務を始めることができます。承認を待つ必要はありません。LCAと社内掲示はPAFに保管します。

従って、コロナ・ウイルスの影響で一年に30日を超えて自宅勤務をする場合は、自宅の住所が平均賃金で承認された地域に包括されているか確認し、自宅内で職務情報の掲示を行う義務があるのか、或は移民局への訂正申請を提出する必要があるのか確認する必要があります。

渡航制限と滞在資格の延長

新型コロナウイルス (COVID-19) のため、各国でのビザ面接の一時的中止されていますが、緊急面接や郵送による延長申請ができる人はビザの申請をすることができます。なお、ブランケットLは郵送でのビザ更新はできませんが、昨年4月からグリーン企業登録者に限定されていたEビザ保持者は、コロナウイルスの緊急事態中はグリーン企業登録でない人の申請も受け付けるようです。ただ、グリーン企業登録でない人の申請はいつでも受付を打ち切る可能性があるので、申請前に米国大使館か米国領事館に問い合わせたほうがよいでしょう。郵送による申請に関しては https://www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-visarenew.asp を参照のこと。

現在日本のアメリカ大使館や領事館では6月以降の面接予約を受け付けていますが、コロナウイルスの状況により、この面接もキャンセルされる可能性はあります。また、面接予約がとれても社内での渡航禁止や航空会社による飛行機のキャンセルなどで日本に戻ることができない人が増えています。アメリカでの任務が終了する人、或はI-94の期限が失効しそうな人は、I-94に書かれてあるアメリカでの滞在期間が失効しないようにアメリカ国内で滞在資格を延長する申請をしなければなません。現時点では15日の特急審査は一時的に中断しているので、申請はすべて普通申請になり、審査に数か月かかります。E、L、H1B、TNなどの短期就労ビザ保持者は、一般に現在のI-94が失効する前に移民局に滞在資格の延長申請をすれば、現在のI-94の滞在期限が失効後も最長で240日まで引き続き就労をすることができます。もし240日以内に結果が出ない場合は、その時点で就労は中止する必要があります。特急審査が再開すれば、就労が中断しないようにすぐに特急申請請願を提出した方がよいでしょう。ただし、H1BやLビザ保持者など最長滞在期限に制限がある場合は、延長申請も最長期限を超えて滞在することはできないので注意が必要です。

なお、Eビザ保持者の場合は、入国する度に新たに2年間有効なビザ滞在期間をもらうことができます。パスポート期限が短い場合は、入国官によっては滞在期間をパスポート期限に限定することもあります。国外に頻繁に出張する社員であれば、I-94の滞在期限が常に更新されているため、家族の滞在期限より長い場合があります。この場合、家族の滞在期限だけ延長する必要がありますので、家族のI-94が失効する前に移民局に社員と同じ期限まで家族の滞在期間の延長を申請します。

アメリカでの任務終了後も日本に帰国できない場合は、渡航ができるようになるまでアメリカ国内で合法的な滞在資格を保つ必要があります。H1B、E、L、O、P、TNビザ保持者は就労開始日前と就労期限終了後にそれぞれ10日間の猶予期間 (Grace Period) が設けられています。この10日間の猶予期間中は就労することはできませんが、国外に出る準備やほかの滞在資格に訂正申請をすることはできます。就労期限の途中で雇用関係が切れた場合、H1B、E、L、O、TN保持者は雇用終了後60日間、或はI-94の残り期限の短い期間まで、アメリカ国内に滞在することができます。雇用終了後の60日間は仕事することはできません。雇用終了、或は猶予期限が切れるまでに日本に帰国できない場合は、事前に移民局にB2観光ビザ滞在資格に変更申請を提出し、渡航できるようになるまでアメリカで待機することができます。ただ、猶予期間は移民局の裁量によるものなので、できれば雇用関係が切れる前に訂正申請を提出したほうが望ましいでしょう。滞在資格変更の申請中に渡航が可能になれば、そのまま出国し、アメリカ国内での滞在資格変更申請を取り下げます。また、コロナウイルスの影響でタイムリーに延長申請をできなかった場合、自分でコントロールできないような特別な事情により提出が遅れたことを説明しなければなりません。移民局が証拠書類を検討し、その特別な事情を認めれば、延長申請を受け付けてもらえます。

ESTAでアメリカに滞在している人は、90日まで滞在が認められます。ESTAはB1/B2短期訪問ビザとは異なり、特定の例外を除いて、通常はアメリカ国内で滞在資格を延長したり変更したりすることができません。ただし、今回のコロナウイルスの影響で国外に出られない場合、移民局のコンタクトセンター (https://www.uscis.gov/contactcenter) に連絡することによりさらに30日の猶予をもらうことができます。もし、この30日の猶予期限内にも出国できない場合は、猶予期限をさらに30日伸ばしてもらうように再度移民局に連絡することができます。

なお、色々な情報が出回っていますが、常に新しい政府の方針が発表されているので、必ず最新情報を確認し、専門家の意見を求めてからアクションを取るように心がけたほうがよいでしょう。

コロナウイルスの影響によるビザ面接一時停止

米国国務省は、新型コロナウイルス (COVID-19) の世界的影響のため、米国民に対して海外渡航の中止を勧告しました。また、米国を居住地とする米国民に関しては、海外に無期限にとどまる必要がない限りは米国への即時帰国を準備するように勧告を出しました。

一方、COVID-19の感染拡大に伴い、在日米国大使館やおよび領事館は、外交・公用・移民ビザ申請以外の非移民ビザの面接を一時的に中止し、3月19日以降の非移民ビザの予約は全てキャンセルとなりました。ただし、ビザ申請料金は支払日から1年間有効なので、ビザ面接予約がキャンセルされた申請者は、ビザ面接が再開したら速やかに新たな面接予約を取ることができます。

ビザ面接がキャンセルされた人で、どうしてもビザを取得して渡米する必要がある人は、郵送による申請か緊急ビザ面接予約リクエストの資格に該当するか検討してください。

【郵送によるビザ申請】ビザの延長申請を行う申請者は、次の条件を満たせば郵送でビザ申請することができます:現在日本に居住・滞在;ESTAの却下歴がない;2011年3月1日以降、イラン、イラク、北朝鮮、スーダン、シリア、リビア、ソマリアまたはイエメンのいずれかの国に渡航していない;イラン、イラク、北朝鮮、スーダンまたはシリアのいずれかの国籍を持っていない;日本、アメリカ、他国で逮捕歴がない;前回のビザに “Clearance received” または “Waiver granted” という記載無し;既存のビザが有効、または有効期限失効から12ヶ月以内である;既存のビザは14歳以降に発給された;前回のビザ発給場所と同じ場所での申請 (注:前回札幌で申請した場合は東京へ、福岡で申請した場合は大阪に郵送すること)。郵送によるビザ申請は、次のビザ種類に該当します:B1/B2 短期商用・観光ビザ、C1/D クルービザ、I 報道関係者ビザ、J 交流訪問者ビザ (Jビザプログラム及びSEVIS番号は前回発行されたものと同じものであること)、E1/E2貿易駐在員・投資駐在員ビザ (グリーンプログラム登録企業)、O/P 運動・芸能ビザ、Q 国際文化交流訪問者ビザ、H 専門職ビザ・短期就労ビザ、L 企業内転勤者ビザ。但し、ブランケットによるL1ビザ更新の場合は、郵送申請はできません。 

【緊急面接予約】緊急に渡米する必要があれば、緊急面接予約のリクエストを提出することができます。緊急リクエストが承認されれば、米国大使館或は領事館からリクエスト承認の通知が送られてきます。一般に、下記の条件に当てはまる場合は、緊急ビザ面接予約リクエストを申請することができます:クルービザ (C1/D) で緊急渡航が必要である場合;貿易駐在員・投資駐在員ビザ (E1/E2) の申請で延期不可能な緊急渡航予定がある場合;家族の訃報や急な病気で緊急渡航の必要がある場合;学生または交流訪問者ビザ (F/M/J) の申請で、プログラムが2週間以内に開始される場合;Eビザ以外の就労ビザ申請で、事前に予測不能な緊急且つ重要なビジネス目的の渡米で、米国企業から要請を受けた場合;フィアンセビザ (K) で人道的理由による緊急な渡航が必要である場合。なお、一般ビジネス・研究会議参加、結婚式や卒業式参加、妊娠家族のサポートのための渡米などは、緊急事態とはみなされません。

現在アメリカ国内に有効なビザで滞在している人で、上記の郵送申請、緊急面接予約のいずれの条件も満たさない場合は、アメリカ国内での滞在資格の延長申請、或は滞在資格の変更・訂正申請を移民局に提出できるか検討ください。ただ、3月20日よりアメリカ国内での就労ビザ申請の特急申請サービスが一時的に中止されたので、アメリカ国内での延長・変更申請は数か月がかかる可能性があります。しかし、同じ就労ビザの種類の延長申請で、現在の滞在期間 (I-94) 失効前に延長申請書類を移民局に提出すれば、延長期間中は現在の滞在期限 (I-94) 失効後も240日間は引き続き仕事をしながら結果を待つことができます。

なお、コロナウイルスの影響で、各国の渡航制限や政府への申請方法に関し、随時新しい情報が発表されているので、申請直前に最新の情報を確認してからアクションを取るように心掛けたほうが無難でしょう。

永住権と公的扶助審査開始

2019年8月14日に国土安全保障省は、亡命者・難民・家庭内暴力や人身販売の被害者等一部の例外を除き、一般に外国人の入国や永住権申請時に、将来アメリカ政府の公的扶助対象になる可能性があるかを調べる新しい法律を発表しました。しかしながら、複数の連邦法廷から暫定的差止命令が出されたために、10月15日に予定されていた法律の施行が遅れていました。その後、2020年1月27日に連邦最高裁が下級法廷の差止命令を解除したために、2月24日からこの法律が施行されます。ただし、イリノイ州の連邦下級法廷の暫定差止命令は未だに解除されていないため、この新法は現時点ではイリノイ州の住民には適用されません。

今までの規定では連邦・州・地元政府による現金補助を受給した場合は永住権申請に影響がありましたが、今回の新規定は永住権拒否の対象となる公的扶助の範囲をさらに広げ、連邦政府補助によるMedicaid (21歳未満や妊婦を除く)、補助的栄養支援プログラム、Section 8プログラムによる住宅補助金、連邦政府による住宅補助等のプログラムも対象となります。ただし、移民申請者の家族による公的扶助の受給、さらに緊急時の公的扶助の受給等は対象となりません。

公的扶助の新規定は、主に家族スポンサーによる永住権申請者に適用されます。過去には申請者が申請時点において自分と家族の生活を賄う十分な収入や資産があることを証明すれば、過去に公的扶助を受けていても永住権申請時にはさほど問題視されませんでした。ところが、新規定施行により、今後は、申請者が将来のいかなる時点においても36ヵ月間に合計で12ヵ月以上特定の公的扶助を受ける可能性があるかを審査されます。例えば、1ヵ月の間に対象となる公的扶助を2種類受けた場合は2ヵ月の受給とみなされます。

家族スポンサーによる永住権申請の場合、従来は扶養宣誓供述書を提出し、申請者の所得や資産情報を開示することにより、扶養家族を養う財的条件を備えていることを証明することができましたが、今回の規定で、新たにI-944自給自足宣誓フォームの提出を義務付けられます。I-944には申請者の家族、収入、資産、負債、クレジットスコア、健康保険、教育、スキル、外国語、雇用などの情報を記入します。これらの情報をもとに、将来のいかなる時点においても公的扶助の対象にならないかを総合的に審査されます。例えば、永住権申請前の36カ月の間に合計12ヵ月以上対象となる公的扶助を受けていれば、マイナス要因とみなされます。逆に、連邦政府規定の法廷貧困レベルの250%の収入があれば、プラス要因とみなされます。新規定施行前の受給は対象となりませんが、新規定施行以前からすでに移民申請拒否の対象となるような公的扶助を受けていた場合は、その受給期間も審査の対象となります。公的扶助による入国拒否理由を克服するためにbond (担保金) を支払うオプションもありますが、担保金は最低でも$8100が必要となります。

各国の米国大使館や米国領事館を統括する国務省は既に永住権審査基準を厳しくしており、特に比較的収入レベルの低い南米からの家族スポンサー移民が公的扶助を理由に永住権申請が却下される比率がかなり高くなっていました。しかし、各国の米国大使館や米国領事館でも、新しい公的扶助審査の法律の施行が遅れていました。今後は移民局と同様、各国の米国大使館や米国領事館でも、申請書類に公的扶助に関する質問を増やし、この法律を施行すると予想されます。これを受けて、南米以外にも全体的に家族スポンサーによる永住権の申請基準が一層厳しくなることが予想されます。従って、申請前に公的扶助の疑いをクリアする十分な証拠書類がそろっているか確認することが重要となります。

子供のビザ

子供同伴の駐在員が帰任命令を受けた時、まずは子供の退学時期、日本の帰国子女受入校の有無、受入時期、受入条件など子供の進学事情を調べなければなりません。では、親が帰任した後、子供の滞在資格はどうなるのでしょうか?

【同伴家族ビザは21歳まで】 一般に、子供は同伴家族のビザを取得して滞在しています。親が帰任した時点で、家族は同伴家族としての滞在資格を失います。駐在員帰国後も家族がアメリカに残るためには、家族は駐在員帰国前に別のビザ滞在資格に変更する必要があります。また、子供は21歳に達した時点で同伴家族としてのビザは認められなくなるので、アメリカで引き続き学校に通うためには21歳に達する前に学生ビザに切り替える必要があります。

【大学生のビザ】 大学に進学する子であれば、F1学生ビザに変更申請することができます。F1への変更申請は、アメリカ国内で移民局に滞在資格 (I-94) をF1に変更申請を行うか、或は、日本の米国大使館か米国領事館でビザ・スタンプを申請する方法があります。アメリカ国内で滞在資格 (I-94) をF1に変更する場合、申請先移民局によって審査に3か月から7か月ほどかかるので、かなり前に申請を行う必要があります。アメリカ国外に頻繁に出入りする子であれば、アメリカに入国するためにF1ビザ・スタンプが必要となるので、日本の米国大使館か米国領事館でビザ面接を行い、F1ビザ・スタンプを取得する必要があります。日本でビザ・スタンプを申請した場合、面接に問題がなければ一週間以内にビザ・スタンプが指定住所に送られてきますので、新学期が始まる前に比較的短時間にビザを取得することができます。ただし、F1ビザは移住する意思をみせてはいけないビザなので、父親の同伴家族としてすでにアメリカに長期間滞在している子であれば、F1を申請した学校を卒業した後に日本に戻る意思がないことを疑われ、F1ビザの発行を拒否される可能性があるので要注意です。

【高校生のビザ】 子供は親の同伴家族ビザを持っている間は公立の学校の授業料は免除されますが、親が帰任したあとは同伴家族の滞在資格を失うので、無料で学校に通うことはできません。高校生の場合、親の帰任後引き続き公立高校に通うためには、F1ビザを申請することがきますが、公立高校に関しては、F1ビザは1年間しか認められません。私立校であればF1ビザの期間に制限はありません。また、F1ビザで公立高校に通う場合は、一人頭にかかる授業料の支払いを義務付けられます。

【小・中学生のビザ】 小中学生の場合は、F1学生ビザで公立校に通うことはできませんが、私立校に通うことができます。この場合、全寮制の学校にいれるのか、地元も家族のホームステイをさせてもらうのかなど、子供の世話は誰がするのか学校と相談しながら決める必要があります。

【母親の同伴ビザ】 子供が学生ビザに切り替えた場合、母親には家族用のビザはありませんが、母親はB2観光ビザ滞在資格に変更したり、また一旦国外にでてビザ・ウエイバー (ESTA) で米国に入国するも可能です。しかし、ESTAでの滞在は一回に最長90日まで、一年間に合計で180日以上滞在することができません。ビザ・スタンプが10年間有効なB2観光ビザを取得することもできますが、一回の滞在期間は入国事情に応じて通常90日くらいしかもらえません。一回に90日以上の滞在期間をもらうのはまれです。B観光ビザはESTAとは異なり、アメリカ国内で滞在期間を延長することができますが、B2観光ビザで長期滞在すると、次回の入国時に短期滞在目的ではないと判断され、入国を拒否される可能性があるので要注意です。

中には母親が滞在中に語学学校に通ったり、正規の学位プログラムに入学する場合があります。この場合は、母親がF1学生ビザに変更申請することで、21歳未満の子どもは同伴家族用のF2ビザを申請することができ、引き続き現地校に通うことができます。ただし、母親の学生ビサ申請の理由が自分の学業目的ではなく、子供の米国での就学目的であると判断されると、申請は却下される可能性があります。

【永住権】 父親が駐在中に家族と一緒に永住権を取得した場合、のちに父親が他国に転勤になっても、子供と母親はそのまま米国に残ることができます。仮に父親が米国を長期不在にして永住権が失効した場合でも、母親と子供は、永住権保持者としてそのまま米国内で生活を営むことができます。永住権を取得していれば、州立大学であれば州内住民用の安価な学費が適用され、各州奨学金やローンの申請もできるようになり、また、在学中のバイトや就職活動も自由になります。

【問題点】 日本の帰国子女枠での編入・受験の条件を満たすために、親の帰任後も学期終了まで数ヶ月間だけ米国に滞在したい場合、また、父親の帰任後もアメリカの大学に進学を希望する場合があります。帰任時期を学年度末に合わせることができれば、父親はその間アメリカに籍を置いたまま、日本に出張することもでき、家族のアメリカでの滞在資格もそのまま維持することができます。しかしながら、現実問題として、帰任時期が子供の学期終了時期と一致しないことが多いために、帰国後の子どもの進学に影響がでることがあります。子供同伴の派遣社員に対しては、例えば、人事異動を計画する時に、現地校の学期終了時期などに合わせて帰任時期を決定するなど、子供の学校事情に配慮したよりフレキシブルな人事方針を採用することができれば、子供の学業が中途半端で退学することを避け、編入条件を満たし、編入時期に合わせて帰国することができるでしょう。子供の学校計画がしっかりしていれば、語学力や国際センスを持ち合わせた将来日本の経済担ってくれる貴重な人材の育成につながると思います。

2020年度の移民法改正の動き

2019年度は移民法や移民局の内部方針などに多大な変更が見られ、移民局での書類審査やアメリカ大使館や領事館でのビザ面接審査は非常に厳しくなりました。2020年度も引き続き、様々な面で変化がみられる模様です。2019年度に提案された法案の中でも2020年度に討議が持ち越されるものと、2020年度から施行が予定されるものとがあります。ここに、2020年度に注目すべき法案について説明します。

昨年2月に提案された2019年の高度技能移民法の公平性案に訂正が加えられ、現時点では雇用ベースの永住権申請に関して、国別年間枠を取り除く法案が検討されています。永住権申請者が多いインドや中国には、優先枠によっては現時点で2年~10年以上の待ち時間があります。国別の年間枠がなくなると、インドや中国の待ち時間は大幅に短縮される半面、日本を含み現在待ち時間のない国には待ち時間ができることになります。2017年度から雇用ベースの永住権申請には全員面接が義務付けられましたが、場所によって面接の待時間が6カ月~3年以上あるため、それまではI-485を申請後4カ月~8カ月ほどで発行されたグリーンカードが今では1年~3年以上ほどかかるようになりました。この法案が可決すれば、全体の年間枠が増やされない限りは、インドや中国以外の国籍保持者の永住権取得までの時間がさらに長引くことになります。

永住権申請過程の最後の滞在資格の変更 (I-485) を提出するまでに待ち時間がある場合、ビザ種類によってはその間の旅行や転職に制限がでてきます。このような不便をなくすために、雇用主スポンサー申請 (I-140) が承認されていれば、国別の待ち時間の有無にかかわらず、I-485を提出できるように提案されています。I-485を提出後、実際に審査されるまで待ち時間が長くても、I-485の提出と同時に就労許可証と旅行許可証を申請できるので、I-485を提出後6カ月が経過すれば、同類職種であれば転職することができるようになります。また、配偶者も就労許可書を入手できるので、自由に仕事をすることができます。なお、H1BやLビザは移民をする意思を示してよいビザなので、永住権申請中も国外からの出入りは自由ですが、それ以外のビザ保持者は、旅行許可書を入手したら、永住権申請中も自由に国外に出て入国することができるようになります。

この他には、今後6年間にわたり人材不足の職種には4,400程ビザの枠を設け、今後9年間にわたりインドや中国以外の国に在住する申請者に永住権申請枠の5.75%を充てる法案も提出されています。家族スポンサー移民申請の方では国別枠の数を増やすよう提案されています。短期就労ビザでは、50名以上社員を雇用する会社でH1BやLビザ社員が50%以上いる会社は、H1B社員をそれ以上スポンサーできない法案が出されています。

上記の移民法案以外にも、2020年4月には、雇用主の移民スポンサー申請 (I-140) と永住権への滞在資格の変更 (I-485) の同時申請を取りやめる法案が提出される予定です。現在、雇用ベースによる永住権申請では、国別年間枠による待時間のない国の申請者は、雇用主のI-140とI-485を同時に提出することができますが、この法案が可決すれば、I-140が承認されるまでI-485を提出できなくなります。I-485を提出できなければ、就労許可書と旅行許可書も一緒に申請できないので、ビザ種類によっては就労や旅行制限を受ける期間が長くなります。

2015年にH4保持者はH1B配偶者が永住権の申請を始めて一定条件を満たせば就労許可証 (EAD) を申請することができるようになりましたが、H4保持者がIT関連のアメリカ人の職を奪っているというクレームがでているために、H4保持者のEAD申請権利を抹消しようという法案があがっています。2020年3月には再度詳細な規定が検討される予定です。従って、EADを使って就労しているH4保持者は、EAD申請ができなくなる場合に備えて、その他の就労ビザのオプションも検討したほうがよいでしょう。

飲酒運転のビザへの影響

年末も近くなり、感謝祭、忘年会また新年会とアルコールが出回る行事も多くなってきました。アメリカは飲酒運転に対して大変厳しく取り締まっている国なので、“ついうっかり” ということにならないよう、アルコールとビザの関連について説明します。

日本では自動販売機でアルコールが販売されたり、道端で酔っ払いを目にすることも珍しくはありませんが、アメリカでは車内或は公共の場でふたの開いたビールをもっているだけでも逮捕されるところもあります。レストランでも酔っ払いに対して無制限に酒を提供することもできません。酔っ払いが後に飲酒運転や人身障害などの事故を起こした場合、酔っ払っていると知りつつ酒を提供した者が責任を問われることもあります。

2015年11月より、米国内にて飲酒運転 (DUI=driving under the influence) で逮捕されたら、各国の米国大使館か米国領事館から本人にビザ取消通知書が届くようになりました。ビザを取り消されるのに有罪判決は必要ではなく、5年以内にDUIの逮捕歴があればこの対象になります。ビザ・スタンプの取り消しは次回出国時に効力を発するので、一旦出国したら再度入国する際に既存のビザ・スタンプは使えなくなります。出国をしたら、オンライン・ビザ申請用紙DS160に飲酒運転による逮捕情報を開示し、裁判書類を添付し、再度ビザの申請をしなおす必要があります。尚、国外に出ている間にビザ取消通知が届いた場合、米国に入国できなくなる可能性があるので、飲酒運転の逮捕歴のある人は、米国を出国する前に人事に連絡をとり、国外でのビザの再申請に関して事前に準備する必要があるでしょう。

飲酒運転で逮捕された場合、初犯であれば、過去の逮捕歴、違法物所持、第3者に対する人身障害、など重度の追加違反行為がない限りは、ほとんどの州では軽犯罪の判決が言い渡されます。軽犯罪だと、判決文を全うすれば、基本的には滞在資格に影響したり、将来のビザ申請を妨げるものではありません。しかし、アメリカで犯罪歴があると将来ESTA (ビザ・ウエイバー) を使って入国することはできなくなるので注意が必要です。ESTAが使えない場合、観光や短期出張目的であればB1/B2の短期商用・観光ビザを申請することができます。

犯罪歴や逮捕歴がある人は、ビザ申請時に米国大使館や米国領事館に裁判記録を一式提出します。FBIのバックグランドチェックをされるので、ビザ申請は通常よりも長くかかることがあります。また、在外公館は、いままで過去5年以内に飲酒運転の逮捕歴がある人、もしくは過去10年間に2回以上飲酒運転の逮捕歴がある人、またアルコール依存症だと思われる短期ビザ申請者に対しては、大使館指定医師からの健康診断書の取得を要請することがあります。診断の結果、本人が自分自身や社会に脅威や危害を加えるような障害がない、もしくはアルコール依存症ではないと判断されれば、ビザは発行されます。しかしながら、無事にビザが発行されても、アメリカに入国する際に再度過去の犯罪歴や逮捕歴について審査されます。米国市民以外のビザ保持者は永住権保持者も含め、入国時に問題があることが発覚すれば第2次審査室につれていかれ、過去の違反行為に関する書類の提示を求められることがあります。従って、過去に違反歴がある人は入国時の質問に備えて警察の逮捕記録や裁判所の判決記録を証拠として持参した方がよいでしょう。いずれにしろ、“飲んだら運転しない!”を心がけましょう。

STEM-OPT監査

移民税関捜査局 (ICE) は、今年の7月以降STEM-OPT研修生の監査を強化しています。Optional Practical Training (“OPT”) とはアメリカの大学で学位取得を目的とする学校にフルタイムで9ヶ月以上在籍した学生が、在学中もしくは卒業後に申請できる就労許可証のことです。OPTを使って卒業前、後合わせて合計で12ヶ月まで研修・就労することができますが、2016年5月より、理数系 (STEM) の学生であれば、OPTをさらに24ヶ月間延長することができるようになりました。この延長をSTEM-OPTといいます。

移民税関捜査局は、STEM-OPT研修生を採用している会社を訪問し、STEM-OPT研修生とその上司 (人事か管理職) と面談して、STEM-OPTのコンプライアンス状況を確認します。具体的には、雇用主が政府に提出したフォームI-983の研修内容をレビューし、研修内容が専門分野と関連しているか、学習目標が明確にされているか、研修内容に変更がないかなどを調べられます。また、STEM-OPT研修生がアメリカ人社員の職を奪っていないか、STEM-OPT研修生の賃金が同職に就くアメリカ人社員の賃金より低く設定されていないか、などを調べられます。その他には、研修の進行状況と学習目標の達成状況に関する学生の自主評価、さらに雇用主が大学のインターナショナル・オフィスのDSO (Designated School Official) への報告義務を順守しているかも調べられます。

監査に対応するために、雇用主はOPT-STEMの関連法を順守しているかを確認し、移民捜査局エージェントが来た時に誰が対応するかなど事前に準備を行ったほうがよいでしょう。下記に注意点を挙げます。

  • 研修内容が大学の専攻内容と一致しているか確認、
  • 学習目的がはっきりとしているか確認、
  • どのように学習目標を達成するのかを確認、
  • 研修内容に変更あれば、新しい研修内容をI-983フォームに記載し、大学に提出したか確認、
  • 研修生の給与レベルが同職種の社員より低く設定されていないことを確認、
  • 研修学習目標達成状況に関し、研修生と雇用主によるDSOへの報告義務を確認、
  • 研修終了後、或は途中で終了した場合、5日以内に大学のDSOに報告したか確認、
  • 研修生が他のフルタイムやパートタイム社員、或は短期契約社員の職を奪っていないことを確認。

もし、STEM-OPTの規定を順守していなければ、滞在資格違反を問われ、オーバーステイのカウント、さらに裁判所出頭命令の通知を受けることも考えられます。5月に発表された政府の新しい方針により、滞在資格に違反があれば学生ビザ保持者も不法滞在扱いとなり、オーバーステイが180日を超えると3年間アメリカへの入国禁止、オーバーステイが365日を超えると10年間アメリカへの入国禁止処分となりますので、雇用主も学生もSTEM-OPTのコンプライアンスに漏れがないよう十分に注意する必要があります。

公的扶助に関する法律の施行一時差し止め

尚、先月号で説明した、2019年10月15日から施行予定だった公的扶助受益者のビザ申請に関する法案は、法廷から最終的な判断がでるまで、一時的に施行が差止になりました。